ときめきマシンガン

夢見がちな性格なので教えてほしい

1830mと6年8ヶ月19日の向こう

最初はすきじゃなかった。アンチでもないけど不満だった。どうしてこの子センターなんだろうって思ってた。すごくかわいいわけでも、愛想がいいわけでも、ダンスがうまいわけでもなくて、どうして?

見てるとだんだんすきに…というより圧倒された。真ん中にいるだけで安心しちゃう。いつも潤んだ目をしてる。いつどこで見ても前田さんだってわかる。遠くでも。もう、どう考えたってセンターだった。彼女がいないと、どこに視線をあわせていいかわからなくなるくらいだ。

たまにめちゃくちゃにかわいい顔をする。その一瞬の最大風速がすごすぎてまた見ちゃう。いつのまにアンチは減ってた。ある時期はすごく多かったのに。あっちゃんはすごいよね、ってなってた。推しとかじゃなくてただすごかった。そこにいないと足りない。

最後のシングル「真夏のSounds good!」、あまりに前田さんのためのMVで笑っちゃった。白いビキニなんてだめなのに。もっとデコって盛ってくれないとだめなのに。AKBのその添加物感がだいすきなのに。でも前田さんのためなら納得する。身体の美しさ、表情の豊かさ、目の力強さ、そういうのが引き立ちすぎた。

2009年の総選挙で「わたしはAKB48に自分の人生を捧げると決めているので」と言ったとき、いつかやめちゃうんだからそんな大それたこと言うのは…と思ったけど、いざこうなると、卒業したから嘘になるんじゃなくて、卒業したからマジになった気がする。「わたしの青春のすべて」になったら、過去はもう傷つかない。思い出はちゃんと美化されて浄化されて、で、血と肉になるでしょう。

アンチもたくさんいてひどいこともたくさん言われてAKB48自体にぶつけられるものも真ん中の彼女は背負ってきたんだろうな。でもマイペースに、マイペースすぎて気分屋で愛想悪く見えるくらいに、ちゃんと生きてた。たくさん食べてすぐに寝てしまって、そういう前田敦子さんは生命力のかたまりで、元気でた。







さいたまで怒号の中で、卒業します、と発表してからずっと、すごい目の色をしていて見るたびにドキドキしてしまった。遠くを見てるような、現世離れてるみたいな目。東京ドームで見た時も、ひとりだけ時間の流れ違うみたいだった。

今日の特別講演のスピーチ、圧巻だった。女優だなあ。どうしてこんなにこの子たちは堂々と、しゃべれるんだろう。すごすぎるよ。

「私はこの劇場が大好きです。そしてこの劇場で一緒に踊ってくれた、一緒に応援してくれた皆さんが本当に大好きです。約7年間、長かったのか短かったのかはわかりませんが、最高の7年間でした。皆さん、本当にありがとうございました。AKB48チームAの前田敦子でした」

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くしゃあつ。ずっと光に包まれていますように。アイドルじゃなくてもいいし女優じゃなくてもいいし芸能人ですらなくてもよくて、ただただ幸せになってくれますように。幸せな人生を歩んでくれますように。
卒業おめでとう。あっちゃんから前田敦子へ。

摩天楼までその手伸ばして
掴もうとしているものは
ブロードウェイのステージの
スポットライト
どれだけの 失望と涙を
引き換えにするつもりか
神様 彼女に ご加護を…
from 摩天楼の距離